財産を評価するとき、不動産を所有している場合はその評価が納付すべき相続税額に大きく影響してきます。
そこで今回から土地の評価額を10%下げることができる特殊な状況の事例を1つずつ紹介していきます。
今回は騒音についてです。
例えば計算上同じ価額となった土地でも、A.閑静な住宅街にある土地とB.線路沿いにある土地は本当に同じ評価額で良いのでしょうか。
一般的にB.はほぼ一日中電車が走行するので、その音と振動によって居住者の日常生活に何らかの影響を及ぼすことが想像できます。
このようなケースで、付近の宅地と比較して著しく価値を下げる要因があると認められる場合はその部分の面積に対応する価額を10%下げることができるのです。
しかしそれをうるさいと感じるかそれ程でもないと感じるかには個人差があるでしょう。私の友人も窓の外がすぐ線路という場所に住んでいましたが、電車が通るたびに地震じゃないかと思う程家全体が揺れている中、友人が平然と談笑しているのを見てびっくりしたものです。
また、騒音による利用価値の低下分が「路線価」や「固定資産税評価額」に既に織り込み済みの場合があります。そのときは適用できないので注意しなければなりません。
騒音は実務家でも判断に迷うところですので慎重に判断する必要があります。
執筆者:相続診断士 荒川敦子