前回から土地の評価額を10%下げることができる特殊な状況の事例をご紹介していますが、今回は忌み地についてです。
忌み地とは墓地や廃棄物処理場など多くの方に敬遠されるような施設のある場所を指します。ここでは墓地を例にお話しします。
私が住んでいる地域は文教地区とも言われる閑静な住宅街ですが、その一角に墓地があります。その墓地に隣接しているマンションの窓からは常にこの墓地が見えているためマンションの入居率も良くないようです。
怖がりな私ならば、入居したとしても特に夜間は窓の外を見ることを避けてしまうでしょう。
このような場合、同じ住宅街にある美しい眺望を持つマンションの宅地と比較して著しく価値を下げる要因があると認められる可能性があります。その場合はその部分の面積に対応する価額を10%下げることができます。
しかしこの「墓地に隣接していること」が既に土地評価の基となる価額に織り込み済みである場合がありますので、慎重な判断が求められることになります。
執筆者:相続診断士 荒川敦子