公正証書遺言を作成しよう!

 遺言書は、自分が死んだあと財産をどう分けて残したいかなど自分の意思を残すための大切なツールです。遺言書には主に「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」「公正証書遺言」の3つがありますが、その中でも「公正証書遺言」が安全確実な遺言方法であると言われています。

 「公正証書遺言」とは公証人が作成する遺言書のことで、2人以上の証人立ち会いのもとで作成されます。
 遺言を残したい人(以下、遺言者)の意思に基づき作成された遺言書を公証人が遺言者及び証人に読み聞かせ、内容に不備の無い遺言書が作成できます。したがって「自筆証書遺言」や「秘密証書遺言」とは違い、家庭裁判所での「検認」という内容確認の手続きが不要です。
 そして遺言書の原本は公証役場に保管されるので、紛失したり他者によって変造される恐れもありません。
 では、その「公正証書遺言」とはどのようなものなのか確認してみましょう。
 
 
作成方法は?
 遺言者が公証役場へ行き、2名以上の証人立ち合いの下で公証人が遺言者の意思を正確に読み取り文章にまとめて作成します。なお、あらかじめメールやFAXで遺言書の内容を公証人に伝えておくこともできます。
 万一、遺言者が入院中などで公証役場へ行くことができない場合には、公証人が遺言者の自宅や病院へ出張をしてくれます(公証人の日当と交通費がかかります)。

公証人とはどのような人?
 裁判官や検察官、弁護士などの法律実務に携わってきた法律の専門家で、正確な法律知識と豊富な経験を持っている人です。

証人とはどのような人?
 遺言者が任意で2名選出できますが、未成年者やその相続に利害関係がある人、公証役場の関係者は証人になることができません。証人にふさわしい人を見つけられない場合は、公証役場に依頼し手配してもらうこともできます。

必要なものは?
 ●遺言者の実印と印鑑証明書
 ●遺言者と相続人との続柄が分かる戸籍謄本
 ●相続人以外に遺贈する場合はその人の住民票(法人の場合は登記簿謄本)
 ●財産の中に不動産がある場合はその登記簿謄本と固定資産評価証明書または固定資産税の課税明細書
 ●証人の氏名、住所、生年月日、職業が確認できる資料
 ●遺言執行者の氏名、住所、生年月日、職業が確認できる資料(相続人または受遺者以外が遺言執行者とな
 る場合のみ)

費用は?
 遺言書へ記載される財産の価額によってその手数料が定められています。

目的財産の価額 手数料の額
100万円まで 5,000円
200万円まで 7,000円
500万円まで 11,000円
1,000万円まで 17,000円
3,000万円まで 23,000円
5,000万円まで 29,000円
1億円まで 43,000円

 1億円を超える部分については下記に応じて加算されます。
  1億円~3億円まで・・・5,000万円毎に13,000円
  3億円~10億円まで・・・5,000万円毎に11,000円
  10億円を超える部分・・・5,000万円毎に8,000円

 具体的な手数料を算出するには財産の相続または遺贈を受ける人ごとに計算する必要があり、全体の財産額によっては加算されるケースもあるため、手数料に関しては遺言書作成時にあらかじめ公証役場に確認することをおすすめします。

さいごに
 公正証書遺言は、自筆証書遺言のように遺言の存在と内容を第三者に知られることなく自分一人でものではありませんし、手数料もかかるので煩わしさを感じるかもしれません。
 しかし自分が人生の幕を閉じるとき、その生涯をかけて築き守り続けてきた財産を巡って大切な家族や親族がもめることは非常に悲しいことです。
 そうならないように不備の無い遺言書を安全な場所に保管しておくことが、円満な遺産相続へ導く鍵となります。

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